top of page

心穏やかでない時に

  • 執筆者の写真: まつださえこ
    まつださえこ
  • 12 分前
  • 読了時間: 2分

着物にさわるなら、着るなら、着せるなら、やることは一つです。

腰紐を締めるその瞬間、以下のことを確認して「内観」してください。


右手と左手にそれぞれ握った腰紐を締める瞬間。


両足の裏全体が床を捉えているか。

どちらか一方の脚だけに重心が傾いていないか。両の足に同じだけの体重を乗せているか。

膝の裏が伸び切っていないか。

膝は抜き、少し遠くを臨むような姿勢で立って。


4本指と親指に包み込むようにして握った両手が同じだけの力配分になっているのか。

両手の高さは床に対して同じ高さになっているのか。

肩は片方だけ上がっていないか。


下から下からひとつずつ積むようにして自分の姿勢を最も呼吸のしやすい、空気の通りやすい姿勢にしていく。(この姿勢を私はゼロポジションと命名しています)


そして最後に目を閉じて。ゆっくりと引き締めるとき、ゼロに戻した自分の芯を確認します。


「内観」です。


〜〜〜〜〜〜


大小さまざまなイレギュラーに対応しながら生きている私たちは、心身をバランスよく生きるのが難しいものです。バランスを崩していることにさえ気づかずに生活していることがほとんどですが、明らかなイレギュラーに対してはアンバランスを心身の不調として自認することもあります。


何せそういった自らのバランスの悪さは、まざまざと着付けの技に投影されます。


辛いとき、悲しいとき、苛立つとき、不安な日、ワクワクと楽しい日でさえも。心身の均衡は保たれていない状態です。上に下にと波打っています。


では、私やあなたの均衡は、軸は、中庸は、どこにあるんでしょうか?風に撓ってもいずれ真直に立つ竹のような、ブレない芯はどこに。


その芯の存在を自分で確かめにいく作業が内観です。


心穏やかならざる時の着付けの瞬間こそ内観してください。


あなた自身のために、体をゼロポジションに戻して紐を締めてみてください。


ree







 
 
 

コメント


Copyright (c) 2018 KITSUKE MATSUDA SAEKO All rights reserved

bottom of page