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  • 執筆者の写真まつださえこ

裾を決める。気を抜かない。いつか、味わう。

着物を着るときに、もっとも慎重になるところ。

それが、着物の裾丈を決めつつ、前幅を身体の幅に合わせ、下前と上前とで下半身をラッピングして腰紐をかけるまで。

<裾合わせ>です。


木綿や紬など、摩擦のかかりやすい生地の着物(かたもの)はそれほど裾合わせに苦労しないのですが、柔らかもの(たれもの)と云われる小紋・色無地・訪問着などの着物は、裾合わせにとても気を使います。生地がするすると滑り落ちやすく、留めたい場所に留め難いからです。


今、そこにチャレンジしている最中の生徒様が、ちらほらいらっしゃいます。皆さん、ご自身の訪問着や小紋をお持ちになって練習されていますが、柔らかものはビギナーに若干不向き。手強い。

なので、『この着物で裾合わせがマスターできたら、怖いものなしですよ。着物の腰紐から下は、タイトな巻きスカート。花束のラッピングのような形のイメージで、足元からお尻までを着物でピッタリとラップできたら成功ですね^^』

そうお伝えしています。


(右は久々復習のお生徒さん。左は始めたばかりのお生徒さんです。今日は2人ご一緒に。)



ちなみに。

私も着慣れている方ですが、腰紐をかけるまでは今でもかなり慎重です。

出っ尻のままお腹を突き出して立たないよう、お尻を内側に巻き込んで骨盤を立てて姿勢を矯正しながら、たまに息を潜めつつ、腰紐までの手順を気を抜かないように追っています。


ササっと仕上げることが、常に善きこととは限りません。手慣れているようでカッコよく見えるかもしれませんが、慣れてきても尚、着ることをゆっくりと味わったらいいと思います。

自分の身体と向き合いながら、立ち方や動き方を細かく観察し、シンメトリーへと身体ごと修正していくことで、本来の立ち姿、着姿へと自分を導いていく。慌てる時は慌てたらいいですが、向き合える時はじっくり向き合って。


そういうマニアックな深め方すら受け止めてくれるのが、着物の懐の深さです。









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