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執筆者の写真まつださえこ

私は耳タコで繰り返している。

他装レッスンの日。


毎回レッスンの終わりには、唱えるように繰り返しお伝えしていくことがあります。


『綺麗な形に仕上げようと帳尻を合わせにいくのではないんです。小細工して誤魔化すわけでもありません。』


『自分の身体と目を修正し、自身のアンバランスや迷いを取り除いていくことで、いつの間にか自然と美しい着姿にして差し上げることができます。』


自分の目が床に対して垂直や平行、左右対称を見極めているのかどうか、それを常に自分に確かめる。


身体や腕がどう動くと紐を床と平行にキープできるのか、それを頭の中で確認し、コマ送りのように小刻みに修正しながら慎重に動く。


相手を綺麗にしようと意気込むのではなくて、自分が素直に、シンプルに、美しく動くことに専念する。



現場に出ていけば、慌てて急くことも間々あります。そんな時には必ず、磨ききれていない技術の粗が着付けに出てきます。なので、お稽古も自宅練習もひたすら、トルソーに向かって細部まで<気を抜かないで丁寧に>動くことを突き詰めていただくようお伝えしています。


『最後の一手で雑になる気持ちをぐっと堪えてください。』


そんな言葉でレッスンを締めくくります。

私自身にそのまま振ってくる言葉でもあるので、自分の言葉に恥じない自分でいなければならないというプレッシャーももちろんあります。



今日1番のおはしょりが作れました。腑に落ちたようです。



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