• まつださえこ

白トルソーvs茶色トルソー 両者の帯姿を読み解く



まずは帯を巻く段階で今回必須条件とした以下3点をもう一度確認します。

・帯の下線を沿わせる

・帯の上線は帯揚げ・三重仮紐・帯枕の紐が入るような空間がある

・バストトップからアンダーバストの中間ラインで帯位置をキープする





手順と私の身体の動きが極力両トルソー間で変わらないように努めつつ、帯まで巻きました。

比較画像から何が見えてくるか、現時点で私が見えている事柄を以下に記録しておきます。



<正面画像>


白トルソー)

帯下線が身体に添い切らず、下端全体が波打って生地が弛んでいる。

帯下線が弧を描くようなラインになっている。

両脇に帯が引っかかって、身体の前面へ来るほどに帯が垂れ下がっている感じに見えています。適正な張力を得られていないんですね。身体を捉えられず、ざっくりいうとユルイ。


茶色トルソー)

適正な張力によって帯の前面がパンっと張っていて、生地に光沢が感じられる。

両体側と帯下線が身体に沿っていて、澱みを感じない。


<横&背面画像>



白トルソー)

結び目が背中から離れ、帯上線でキープできない。

結果的にではありますが要所を捉えられていない巻き方になっているために、結び目の重みを上線で留めておく力がないのでしょうね。そのせいで帯下線が腹前から体側へ向かうほどに下がって、身体から離れています。3条件が成立しているとはいえず、帯結びの典型的な悪いループにハマっているなぁという感じ。


茶色トルソー)

結び目が背中に沿っていて、帯上線でキープできている。

床と並行に巻くことができていて、かつ、帯の上線はゆとりを持たせつつ下線を身体に沿わせることができています。白トルソーと比較して、3条件をクリアしているといってもいいと思います。


以上、私が見えている両者の帯姿。



☆締めの考察☆

白いトルソーに感じていた着付けにくさは技量不足の問題なのか、補整量や補整方法の問題なのか。はたまた血の通わない硬いトルソーだからなのか。呼吸と体温と筋肉が圧を受け止めてくれる人間ではどうなのか。

様々な要因絡まってはいますが、今回はやはり補整量や補整方法が一番の敗因だろうなぁというところに着地しました。特にマズいと感じたのは、私自身が現段階で理想的と考える帯姿を保つことが難しかった点。

胸高に、帯上線は締めず、帯下線は身体に沿わせて。

帯が胸高であるというのは振袖姿において重要と考えていますが、それを白トルソーで適えようとすると他の条件がまともに立たなかった。帯下線が身体から離れると、視覚的にはお相撲さんのマワシ状態に陥って太って見えちゃいますから、それってお嬢様の、いや、幾つであろうと永遠の乙女の着姿じゃないですよね…。


予定調和的ではありますが、帯姿まで影響することを考えると、体型・補整方法・補整分量の見極めが着付師の重要な技術と実感します。



そして、もう一つ、大事なこと。こちらは感覚的ですが、私としては刺さる気付き。

全ての手順において私自身がストレスフルだったかストレスフリーであったかどうか、着付師がどう感じながら着付けを行なったかというその感覚は、そのまま着物をお召しになる方の感覚にシンクロするんじゃないかってことです。

例えば、着付師の焦りや動作の滞りがお客様を不安にさせるというのはわかりやすく想像できますよね。そして、その逆のパータンもきっとある。着付師が手順通り、美しく無駄のなく滞りなく流れるように着付けを行うことができたという感覚は、着物をお召しになった方の心地よい着心地として同調していると思うのです。


この「心地よい着心地」というのは、ただ単に窮屈でない楽な着付け、という話ではなく、着付師のパフォーマンスが視覚的にも体感的にも上質であった、そういった意味で表現しています。


上質な着付けを提供するために着付師はいる。そのために、こんなにも勉強して、こんなマニアックな実験してるんやな。と自分に納得しちゃったところで今回はおしまいにしまーす。


























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