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浴衣の女の子と左前の光景

執筆者の写真: まつださえこまつださえこ

今日は子どもサービスデイ。


いつもGoogle Earth に食いついて、岡山駅周辺をじっくり探検している娘。あそこはどうなっているんだ?本当にある場所なのか?あの通路は面白そうじゃないか!と独り言が激しいので、今日は実際に岡山駅前へ行って探索検証する日でした。マニアックなところが好ましい。


2人してひとしきり練り歩いた後に、地下街を通ってイオン岡山へ入る長いエスカレーターに乗った時のことです。反対側の下りエスカレーターに乗っている人の列に混じって、楽しそうな二人組の女の子達がいたんですよね。お二人とも可愛らしい浴衣を着てらっしゃいました🎶


でも、すぐに、(ああ、)と気がついたのは、浴衣の衿合わせが左前だったこと。

※左前とは、着物の左衽を先に身体に纏わせることですね。その後から右衽を纏わせる。

遥か大昔は左前スタンダードの時代もあったようですが、現在に至るまで長いこと右前スタンダードが続いてます。


まっこと楽しそーに、溢れんばかりのスマイルよろしいお二人だったので、私も微笑ましくお見送りいたしました。2人揃って左前だったのは、おそらくYouTubeなんぞを見て鏡合わせに着てみた結果なのか?…と理屈っぽい考察程度はしたわけですが、それ以上別段なんとも思わない。

(自分、ええオバはんになってきたかな。)と、心の中でほっとしたような、朗らかな心地でした。とはいえ、初見の瞬間は、若干目ん玉見開いたかもしれません笑。


まぁ、それこそですね。


これが10年15年前の私なら、よそさんのことなのに『とんでもないことじゃ!右前知らんのかい!』と1人で怒り浸透、慌てふためいていたことでしょう。着物ルールは絶対!と、生真面目に思い込んでたような初心な堅物でしたのでね。良くも悪くもド真面目の、害しかない着物女子でした笑。


それでも、着物を通して、すっかり赤っ恥も青っ恥もかききって。


着物の常識がどんでん返ししつつある時代に、いつぞやきくちいまさんが目の前で仰った『いずれ左前も当たり前になったりするかもよー笑』という、あっけらかんとした物言いが脳内リフレインだったこの数年。


ここにきてようやく、宇宙の塵となって彷徨うシンプルな着物好きになり始めたかもしれない私は、嬉しいやら苦笑えるやらで。結果、本望。


浴衣。

着物。


着ることが何より貴女を引き上げ、輝かせる。


着ることに理屈っぽい言い訳などいらんのですよ、出かけてしまいなはれ。と、全ての生徒様にお伝えできる教室で在り続けたいですね。

誰でもない、貴女が着物でウキウキするから、世界はジワッとあったまるんですよ、と。


着方よりもまず、着たいと思う気持ちのやたら強いのが正義だな!と思った本日でした。


浴衣女子、可愛かった。花が咲いたみたいに喜んでた。




家族の写真は、三年前の祇園祭旅行の時。

今夜は、『京都人の密かな楽しみ「祇園さんの来はる夏」』を放送してました。女優の趣里さんが文庫結びしてました。

可愛いが溢れてる。

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