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執筆者の写真まつださえこ

【短編動画】感覚は「頼る」というより「研ぎ澄ます」

更新日:2021年11月16日

生徒さま方に是非ともお伝えしたいことがありまして、3分少々の動画を公開いたします。


ビギナーさんにもミドルさんにもエキスパートさんにも、どの階層にいらっしゃる方にもお伝えしたきことです。


お太鼓結びを作るときに大事なこと。それは、ササッと動いて仕上げることではありません。チャチャッと仕上げることはゴールにあらず、そのように私は考えています。


ビギナーさんが後手にお太鼓を仕上げていくこと自体、あたふた手惑うのは当然です。その煩わしさはよくわかります。そして、早く慣れて、スマートな動きで結び仕上げることに憧れを抱くこともよーくわかります。わたしも長いことそう思っていました。

けれども、今だから言えます。

たとえ慣れてきたからといって、ぼんやりしながらもカッチョイイお太鼓ができるわけではないのです。「またまた〜」とか「そんなアホな」と仰るかもしれませんが、少なくとも私は帯を結び終えるまで、未だ慎重に動いています。手順において気を抜いたことはないですし、これからもずっとそうあると確信を持って云えます。


そして、ミドルさん・エキスパートさん。小慣れた動きで、いつしか個性あるお太鼓を作っていかれます。そのフォルムは、その方の味であり、好みであり、愛嬌であったりします。それは見る人の心を動かすフォルムでもあります。

だがしかし。

わざわざ時間をかけて帯を結んでいるその時間、何げに過ごしていらっしゃるようにも感じるのです。形に現れる個性は、その方の思考の癖、身体のアンバラスを模しているともいえます。講師をしていると「あとほんの少し。あと一押し粘っていただけたら、もう一つ違う世界が広がっていくのでは・・・」と思うことがあるのです。自分の身体と思考の偏りを知るいい機会であるその時間を、もう一度見つめていただきたい。


どうしてお太鼓の山の片側が凹んだりするのか。

背負った枕が傾いているのはなぜなのか。

なぜタレが曲がるのか?

お太鼓の下線が傾くのはどうして?

いつもふわっとしたお太鼓になるのはなぜ?


どうして私のお太鼓はいつもこういう形になるのだろう。


そのように、ほんのちょっとしたところに疑問を持つか持たないかで、「私という人」を知るに至るか、なんとなく見過ごすか、その道が枝分かれしていくように思っています。


私は、綺麗な折り目正しいお太鼓のフォルムが正義、とは全く思っていないのです。

しかし、折り目正しいシンメトリーなお太鼓にするには、自分の身体や腕をどう動かせばいいのか、そこを自分に追求する姿勢には価値があると捉えています。


というわけで、私がいつもどんなことを考えてお太鼓を作っているのか、そこを生徒さんに知っていただきたい、という思いで動画を撮りました。



帯枕を当てるところからお太鼓の下線を仮紐で作るところまで。(帯揚げ割愛しています)

軽快な動きとは縁遠い、地味で夢を壊すような動画かもしれませんが、「そんなこと考えてたんだなぁ」っと感じていただくにはいい塩梅の動画です。






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